雑記

ゲームの記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

ルフランの地下迷宮と魔女の旅団 感想

ルフランの地下迷宮と魔女の旅団、ひとまずトゥルーエンドまで。
ダンジョンは最初のボスにすら勝ててません。

感想としては、

システム、サブストーリー、世界観:◎
メインストーリー:前~中盤×、終盤◎

といったところ。

システム、サブストーリー、世界観

本当、文句なしです。

だいたいのランクはありますが、レアリティがあったり二つ名がついていたりで性能にばらつきが出ます。ばらつきの幅はかなり大きいです。
レベル上げのために同じダンジョンに何度も潜って似たような武器が溜まっても、合成素材にできるのでそこまで無駄にもなりません。
合成の効果も結構大きくて平気で倍くらいの数値になります。もう楽しくて仕方ない。

  • キャラクターの成長カスタマイズ(極振りかフラットかなど変更可能)

とりあえずほぼ全キャラ極振りにしてたら裏ダンジョンのボスの一撃でホイホイ沈む紙装甲ばかりになってボスに勝てません!その代わり火力はかなりのもんです!
いやあ超楽しい。防具は合成でそこまで強くはならないので、ジョブ構成や育て方を見直すのが楽しみ。

  • キャラクターの転職

「人形から人形への魂移し」という体ですが、要は転職です。グラが変わってレベルリセットされます。
スキル持ち越しができ、リセットするたびにレベルアップに必要な経験値が増え、レベルアップ時のステ上昇も大きくなる、らしい。まだ転職せいぜい2回目とかなのでその辺の恩恵はあんま実感できてないです。
キャラグラが本当にがらりと変わるので手持ちのキャラクターに抱いていたイメージは揺らぐのですが、キャラクターが使い捨てにならないのは良いです。
戦闘の矢面には出ないけどちょっとずつ経験値をもらえるというポジションがあるので、レベルリセットされても持て余すことはありません。放っておけばいつのまにかLv70とかになってます。

  • 「人形兵の部位破損」という、帰還するまでリカバリできない要素(サガでいうLPのような)の緊張感

腕や足など一部のみ破壊されると、HPや対応するステータスは落ちますが一応動けるという状態になります。
破壊されることによるメリットは別にないので鬱陶しいっちゃ鬱陶しい要素なんですが、ここで帰還するかもうちょっと探索するか、というような選択の余地が出てきます。この緊張感が良い。
破壊されてるけど大丈夫だろうと油断してたらえらい目に遭うとかもご愛敬だし、逆に破壊されたままでも苦戦したけど強敵に勝てた!なんてなると嬉しいです。熱いです。

  • ボス以外の固定敵(世界樹で言うところのEOF)の強さのバランス

たいてい部位破壊されたりボコボコ死んだりします。こわい。

  • 敵グラや敵の攻撃技の容赦ないエログロ

可愛くエロいのは別にいいんですがグロい方も割と容赦なくグロいです。虫とか、デブッデブとか、腐りかけとか、腐りかけの虫とか。中盤くらいのEOFのトロルの臭そうな呼気と赤い乳首ほんとやめろ。
生命活動の根源的なところ、食べて出してヤって産んで死んで腐って、みたいな肉肉しい部分が、そこまで直接的ではないという絶妙なさじ加減でガンガン出てきます。
そういうのがたまらなく好き、というわけではないんですが、清濁いずれも描いてやろうという一本通った姿勢を感じてなんか関心してしまいました。都合良く消毒されたエロとは違う。
敵グラの話からはずれますが、ストーリー上のサブキャラ達の扱いも、汚い中に救いがあるといった感じで、言葉少なな中にもそれなりの力強さがありました。

  • 世界観

カラザの井戸ってそういうことか!と自分で気づけた時には感動しました。最終盤に気づきました。だいぶ遅い気づきでしたが感動できたのでよしとします。

ここまでは本当文句なし。
戦闘時の文字送りダルいなーと思ってたらアップデートで改善されたし、流石は老舗といったところです。
システム面の不満点を無理にでもあげるなら、転職して持ち越せるスキルの数が合計12個はいくらなんでも少なくないか、ってくらいですかね。
あんまり多くてもバランス崩れるんだろうけど、まとめてレベルアップする度に「どのスキルを捨てますか」と訊かれるのはややウザい。

メインストーリー

さて、ここまで絶賛なんですが、ストーリーの方。
広げた風呂敷の畳み方がかなり気持ちよかったです。唐突なペプシマンとかじゃなく、ちゃんと話がつながっている。
なお女性キャラを体型で判別してはいけません。少女時代に痩せぎすでも大人になると必ずばいんばいんになります。

結構熱い展開もあったりして、終盤の盛り上がりは本当にいい。声の演技も迫力がある。
前述の通りサブキャラの落ち付け方もかなり好きです。綺麗なお涙頂戴話でまとめず、人間の酷い欠点はそのままに、それでも、どうしようもないってわけじゃないと救いを持たせていて。

しかしその分とにかく惜しいのが、序盤から中盤の茶番はどうにかならなかったのかという点。
好みの問題ではあるんだろうけど、全然笑えなかった。
主に同性愛の扱いと、いい子ちゃんルカのうざさ。どっちもドロニアの扱いなんですが。

  • 同性愛の扱い

ギャグの文脈でゲイの男性が出てくると必ずといっていいほど出る、「ノンケの男性に迫って恐怖される/気持ち悪がられる」という展開。
ああいうギャグに慣れ切って、なんなら笑っていた自分の無神経さを殴りたくて仕方ない。
このゲームでは上記のような展開が男同士ではなく女同士で出てくるんですが、不快なこと不快なこと。笑えるどころか吐き気がした。
「いや、どう見ても嫌がってるだろ!やめろって気持ち悪い!」と叫びたくなる不快さでした。

私は女性なんですが、「女性が、嫌がっているにも関わらず、本人の意思は完全無視でしつこく肉体関係を迫られる」「迫った側の行為が悪いこととしてストーリー上罰せられたりはしない」という展開が本気で不快でした。
男性が被害に遭うストーリーならなんで平気だったんだ、と今までの自分に説教したい。
多分、「人の話を聞かない男性に迫られるってのは怖いものなんだよ、たまには男性側もその怖さを体験してみろやザマーミロ」的な浅薄かつ卑劣な考えがあったのでしょう。
馬鹿かと。死ぬかと。
勘違い男性というものは世の中に存在しますが、当たり前だけど全ての男性がそうなわけじゃない。何だよザマーミロって。誰の話をしてるんだよ。

何よりもゲイの男性をそんな怖くてイヤなモノとしてテンプレ的に扱うなんて失礼極まりないだろうと。
それも、このゲームに出てくるレズギャグでは「こんなことするレズビアンの人なんていないでしょ!レズビアンは全員人格障害者だとでも思ってんのか!?」と怒りを覚えたからようやく気付いたことで、ゲイを扱ったギャグではあんまり気になっていませんでした。
ここに懺悔して深く深く反省したいと思います。自分が偏った考えを持っていたと気づかせてくれたという意味では、このゲームに感謝しています。
けど中盤までのイベントシーンはもう二度と見たくない。伏線探しの二周目も全然やる気になれないです。

  • ルカのうざさ

終盤で株を爆上げするルカですが、中盤までは上記の同性愛ギャグと似たような感じで、「ドロニア様がきっと喜ぶはず!」と無邪気に言いながら明らかにドロニアに喜ばれない行為を繰り返します。

ごめん、全然感動できなかった。むしろドロニアが本気で気の毒になった。

ドロニアは一貫して、余計なことはするな、うるさい黙れ、みたいな態度なんですよ。ルカが「きっと喜ぶはず!」と言ってる行為を喜びそうには全然見えないんですよ。
やめろって何度も言ってるのに発言を笑顔で無視され、強く言ったら涙ぐまれてドロニアが悪者みたいな空気になるとか、うざすぎる。ストーカーと同じでしょこれ。裏事情があるにしても誕生日の件はいらなかったでしょ。
ゲームのお話なので、最終的にはドロニアが素直に言えなかっただけで嫌じゃなかったよ的な終わりになります。なので気の毒に思うのは思い違いということになるんですが、ツンデレ設定ならもうちょっと早いうちにデレの片鱗出してくれよと。
本気で嫌がってるようにしか見えなかったから、ルカがうざく見えてどうしようもなかった。もうちょっと思慮深さとか、ドロニアのことよくわかってますよ的なのを序盤で見せてくれたら、終盤の展開にも納得いったのに。
もう一回そのつもりで見てみたら違って見えるのかもしれないですが、同性愛関係のイベントと同じく、見たくないです。

この辺に関しては「ドロニアからルカへの態度がひどすぎる、ドロニアうざい」という批判もできると思います。私は完全にドロニア側で見ていたので上記のような感想になりました。この辺は好みの違いというか、かくあるべしという理想像の違いかなと思います。

まとめ

良くも悪くも印象に残るゲームでありました。
人にお勧めできるゲームではないんですが、このゲームが好きだという人とは色々語りたいです。