雑記

ゲームの記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

ゼルダの伝説ティアーズオブザキングダム ネタバレなしの感想

2023/5/22、ストーリークリアして、マップに表示される達成度は49%の時点での感想。
ネタバレなしとはいえ、発売前の公式PVでもわかる程度の要素(雰囲気など)には触れているのでご注意を。

  • ストーリーが良かったし、良くできてた。熱い。
  • より「ゼルダ」な雰囲気。好き。
  • 「こういうの好きだよね?」とロマン要素で滅多打ちにされた。奇声を上げざるを得ない。
  • それらを見せる演出や音楽が良くて情緒も滅多打ちにされた。サントラ待ってます。
  • 基本システムの刷新もお見事。途方もない手間がかかったと推察。
  • 更新・追加されたフィールドが楽しい。飽きない。
  • 前作より操作のテンポが悪い、と思う点がなくもない。繰り返しニューゲームは厳しいかも。
  • BotWの続編という期待値を超えてきた。ありがとう開発陣。ありがとう任天堂

ストーリー

内容も使い方もすごく良かった。
内容はネタバレになるので触れないが、使い方というのはプレイヤーのモチベーションの調整のこと。見事すぎる。隙が無い。
後半になってもダレないようにうまくできていると感じた。私の場合後半の方がモチベが高くめちゃくちゃ盛り上がっていた。

雰囲気

神秘、魔法、ファンタジー感が前作BotWより強い。ゼルダシリーズ全部やってるわけでもない身だが、「ゼルダらしい」と感じた。
64の時オカから入った身としての印象だが、マリオは人工的なおもちゃ箱のような世界、ゼルダは剣と魔法と自然のファンタジー世界、と思っていたので。
開発者インタビューにあった「ブレワイはフィジカルだった」という言葉が、やってみて納得できた。
前作にも不思議ギミックはたくさん出ていたのだけど、技術であって神秘的な魔法ではなかったからね。

ロマン要素

ビジュアルだけで「うひょー!!」とテンション上がったポイントが数え切れないほどある。
ネタバレ大丈夫な方はこのブログのプレイ日記を一部でも見てもらえれば、ビックリマークの多さからおわかりいただけるかと思う。
PVにも何それ!何そこ!というかっこいい映像がたくさんあったが、あれらが本当にある。遊べる。
特にボス戦がどれも良い。かっこよかったりいい感じに気持ち悪かったり。
前作BotWはダンジョン1つクリアすればあとはそれほど驚きがないというか、若干単調さがあったが、今作は違う。良い。

演出と音楽

細かい良し悪しを語れるほど詳しくないジャンルなのだが、音楽がいいし、使い方がいいし、画もいちいち迫力あって、なんかすごかった。
いちいちテンションぶち上がってひゃあひゃあ言っていたということだけ記しておく。

基本システム

発売前から想像できた通り、自由度がすさまじい。デバッグの手間は想像もつかない。
変な制約でがっかりさせたくない、という意図は開発者インタビューでも語られていたが、クリア現在全然がっかりしなかった。
ものをくっつけたり武器や盾に変なものをくっつけたり、ビジュアルだけでも面白い。小学生くらいの子どもたちが遊んでいる様を見てみたい。

フィールド

前作と同じ世界なのに、かなり変わっているマップ。
BotWは100%クリアを複数回やる程度にはしゃぶったクチだが、「新しいものへ感じる億劫さ」なしに、「新しいものの発見の喜び」を感じさせてくれた。
さらに追加フィールドもある。雰囲気も遊び方も結構違うので、探索に飽きたら別のフィールドを探索すれば良い。
ティアキンに飽きてきたらティアキンをやればいい、という無限ループ。時間と眼精疲労が許すなら何時間でもやっていられる。止まらなさすぎて怖いくらいだった。

前作より操作テンポは悪い

操作時のラグは感じる。特に新しい特殊能力まわり。今後アプデで改善されるのか、はたまたSwitchの限界なのか。
前作もアプデでロード時間が改善されたりとかなりの最適化を経て今の状態になっているはずなので、ボリュームが増えた今作で前作に並ぶのは難しいのだろう、とは思う。
だが見た目やボタン割り当てはほぼ同じなのでどうしても比べてしまう。

またメッセージ送り不可(音声もないのに待たないといけない、スキップも不可)のテキストがあったり、メインクエストでの会話テキスト量がかなり多かったり、手順を飛ばそうとすると強制会話で戻されたりするところも個人的には気になった。
これは初回プレイならテキストをしっかり読むので気にならない。ただ、繰り返し初めからプレイする場合の快適さはBotWより落ちそう。
BotWでも、DLC関連のメッセージにはテキスト送りもスキップも不可のやつがあり、かなり不満だったのだが踏襲されてしまって残念。

期待値のこと

ヒットしたBotWの続編とあって期待値がとても高かったのに、面白さの予想を遙かに凌駕してきた。とんでもないゲームだった。

発売前は自分自身も、リアル知人たちも、ネットで見る意見も、みんな本当に期待していた、それが少し怖くもあった。
これで面白くなかったら何て言われてしまうんだろう?と。

BotWはゼルダシリーズファンでなくても、オープンワールドゲーファンでなくても、やってみたら面白かったと言う人が結構いたゲーム。
そこでせっかく広がった間口を、ここでコケたらと思うと作る側としてはとても怖かったのではないかと思う。
シリーズファンならある程度の変化は経験してきているから多少おかしくなっていても次作も買う。だが「シリーズファンではない、BotWファン」はそうではない。
シリーズファンなら優しいかというとそうでもないだろう。「ゼルダシリーズのことはよく知ってる自分が言うけど」と物申したがる人も中にはいるはず。

ゼルダらしくなかったと言われたBotWの路線そのままのものを出したら旧来のゼルダファンに批判されるのでは?
BotW路線をやめて旧作路線に戻したら、BotWからのファンは離れてしまうのでは?

そういう私の勝手な懸念を今作は、圧倒的な丁寧さでただひたすら愚直に「良くする」ことで吹き飛ばしてくれた。

ストーリー考案も、莫大なテキストを破綻なく構築するのも、
演出を洗練させるのも、あれだけの量と質の音楽を作るのも、
そもそもが広大なマップの見直しも、さらなるマップ追加も、
新システムの調整も、デバッグも、

全てとんでもない労力だったと思う。

一点に尖らせて他の要素は捨てるとか、前作の焼き直しでお茶を濁すとか、そういう省エネ策をとらず、全てに全力投球してきた。
BotWの良さをとるのか?旧作の良さを取るのか?という懸念への答えは、 「どっちの良さも全力で取ればいいじゃないか!」 だった。

EDクレジットのスタッフの多さよ。一人一人にありがとうと言いたい。
コストをどれだけかけるかは経営判断もあると思うので、ゼルダにこれだけ懸けてくれた、任天堂という法人にもありがとうと言いたい。
こんな面白いゲームを、好きなシリーズで遊べて、本当に嬉しい。

まだまだ遊ぶぞ。まだまだ楽しみ。