雑記

ゲームの記事はネタバレを含みますのでご注意ください。

TUNIC語解析挑戦日記 10日目 解明編

解明編(ただし文字解析に限る)
ゲーム内の謎はまだ残っている。どうして。

まずはこちらの動画をご覧いただきたい。
スケさんとラムさんというお二人の、TUNIC初見プレイ生配信のアーカイブ
(未プレイの方には当然ながらこの動画もネタバレなので注意)

www.youtube.com

冒頭、part2とは思えぬ熱意でラムさんによる文字解析が始まっている。ストーリー進行的にサンプル数はまだまだ少ないはずなのに、おそるべき読解力。
私自身が予測として思っていたことなどと照らし合わせつつ聞いていたらだいぶ刺激を受け、その後徹夜で解析を進めてしまって、1つ前の記事に至った。止まらなかった。予定のない日でほんとうによかった。
このブログがネタバレなのでクリアされてからリンク貼る許可をもらおうと思っていたのに、我慢できずに打診してしまった。ご許可ありがとうございます。

おそらく多くの(ゲーム慣れした)プレイヤーは、操作しているスケさんと同様「読めなくても進められるようにデザインされているのでは」という仮定でとりあえず進めるのだと思う。
ゲーム内の操作を離れた紙とペンの作業、私は大好きだけど、普通はクリアに必須ではないし、嫌がる人も多いし。
嫌がる理由としては単純にコントローラ置いて紙を出すのが面倒くさい上、「確実に成果が出るとは限らない」「意味のない適当文字を配置してる創作だってたくさんある」あたりが大きいのかなと。
信頼できてないとぶつかるのも怖いからね。
ぶつかりたいタイプの人間には、ちゃんと用意していてくれるゲームは宝物。

以下はTUNIC語解析の進捗の詳細です。ネタバレ。


刺激を受けたってぼかしたけど正解そのものズバリだったんだよね。

「アルファベットそのものではなく、発音に対応している」
ラムさんのこの観点が私にはなかった最後のピースだった。

you と u が発音同じでスラング的に使われるのは知ってるけど〜とボヤいていたけど、この発想には至らずだった。
一人で気付きたかったかというと別にそうでもなく、答えそのものを調べるよりは間違いなく面白い体験ができたと思っている。
Outer WildsのDLCでスライド映像を見せられて、すでに自力で散々苦労してだいたい把握している場所の話だからこそすんなり入ってくる感動、みたいな感じ。

p54の表によれば、外枠は18種、内側は24種。
英語の発音記号を調べたところ、母音20種前後(分け方で異なる)、子音24種であるらしい。いけそう!

とりあえず堅いところ、スタッフロールの表記から分解していく。published by だけは無視する。知らぬ。

a 8v 3q h MUSIC [mjúːzɪk]
a : [m]
8v : [juː]
-> 8 : [uː]
-> v : [j]
3q : [zɪ]
-> 3 : [ɪ]
-> q : [z]
h : [k]

4x 6m x LEVEL [lév(ə)l / levʌl]
4x : [le]
-> 4 : [e]
-> x : [l]
6m : [və] (母音は結構バラつきがあるのでとりあずであてはめ)
-> 6 : [ə]
-> m : [v]

ダッシュつき(元のTUNIC文字では下に小さな○がついているもの)は外枠と内側をひっくり返しているような書き込みがp21にある。
通常のTUNIC文字が"子音, 母音"の順序であるなら、逆転させて"母音, 子音"の順序にしたものと仮定すると以下も特定できる。

11f' ART [άɚt / άːt]
11f [tɑː]
-> 11 : [ɑː]
-> f : [t]

スタッフロールに出てくるdirection, productionは発音のばらつきのせいで掴みづらいのでいったん保留し、デジタル起こしの過程で気になっていた頻出単語を見ていく。
この時点で(というかmusicの解析だけで)、ちょくちょく出ていた 8v = [juː] = YOU, 8v q = [juːz] = USE が読める。

ここで鍵を拾うときと使うときに出てくるメッセージを見ると。

使うとき: 8v q / 7h ? -> USE / [k] 7 ? -> KEY[kíː] かな?
-> 7 = [ɪː]
拾うとき: 13f h / 7h ? -> [t] 13 [k] / KEY? -> TAKE[téɪk] だろうなあ。
-> 13 = [eɪ]

と読める文字が増える。

こんな感じで状況と分かっている文字から推測していく作業。
めちゃくちゃ楽しい。

現時点での対応表はこんな感じ。8v なんかの中間段階をすっ飛ばした図。

TUNIC語解読表

問題は以下の2点。

  • 母音は地域ごとにばらつきがある
  • わかるのは発音だけ

母音のばらつきに関しては、推定時点で間違えているとその後の推定に影響が出るのが困る。両論表記していく感じでパキっと決められない。
例えば私の解読だと、説明書表紙の飾り文字("TUNIC"という文字で上下に分断されている2単語)はこうなった。

7p h 3u f 4x 4j b g
[si:krit] [ledʒend]

たぶんSECRET LEGEND なんだろうと思うけど、シークレットじゃなくてシークリットになっちゃった。
これが母音の発音ブレ(地域差とか)で飲み込んでいい差分なのか、本当はSECRETではないほかの単語だからちゃんと調べないといけないのかの判別がつかないのが悩みどころ。
英語を感覚的にざっくり掴めていれば違うんだろうけど、そこはもう仕方ない。

一番の問題は「わかるのは発音だけ」というところ。
初歩的な単語なら発音記号見て読み上げてみればわかるが、知らない単語はどうしようもない。
同音異義語(twoとtoとか)は文脈次第での判断なのでまだ楽しいのだが、知らない単語は本当に知らない。それっぽいスペルを捏造して検索してサジェストに頼るしかない。

例として説明書p3からの、ストーリー背景っぽい文章。
頻出の前置詞なんかはもう先に変換してしまった状態。

[ðǝ:r] [livd] A 文明 OF [greit]  [preia:r].
[ðei]  [bilt] A  [siti:], [ænd] [wiθin]  [ðæt]  [siti:] [ðei] [bilt]
A [æplis]. [ðei]  [held]  [seikrid] THE  [si:krits] OF
THE 聖なる十字架, AND  [ǝnda:rstǝd]  THE  [pleina:r]
[neitʃa:r]  OF  [reiəliti:]. [ðei]  [ventʃa:rd]  TO  THE  [fa:]  [ʃɔːr]
[ænd]  [sɑt]  [paua:r]  [frəm]  THE  [speisiz]  [bi:twi:n].

[ðei]はTHEYで[ðǝ:r]はTHEIRかな、いやTHEREか、とか、 [siti:]はCITYだろうな、とか考えながらあてはめていく。
三行目のAの次の単語、アプリス?エプリス?文脈的には神殿っぽい言葉が入りそうだけど…?と思って見直したら自分の書き写しミスが見つかったりするんだな。[æplis]じゃなくて[pælis]だった、PALACEが近そう。

THERE LIVED A 文明 OF GREAT PRAYER.
THEY BUILD A CITY AND WITHIN THAT CITY THEY BUILT
A PALACE. THEY HELD SACRED THE SECRETS OF
THE 聖なる十字架, AND UNDERSTOOD THE PLANER
NEITHER OF REALITY. THEY VENTURED TO THE FAR [ʃɔːr]
AND SAT POWER FROM THE SPACES BETWEEN.

そして残る知らない単語と意味のよく通らない文章。多分推定済の単語にも間違いがある。
特に残っているTHE FAR [ʃɔːr]はワープゾーンのエリア名でもあり、重要語っぽいのに特定できていなくてとても気になる。shorとかshorlとかそんなスペルのような気がするんだが。

まあ翻訳できるテキストはまだまだあるのでとりあえず進めてみよう。
司書さんがツンデレだったりスカベンジャーの親玉が(翻訳間違えてなければ)女性だったり、楽しい。

p51->p1のトロフィーの謎?
ああ、うん、気が向いたらね…。